2020年04月12日

VitalStimR Plusを用いた摂食嚥下訓練

 当院では、2019年より摂食嚥下障害の患者様に対し、舌骨筋群の筋力増強による嚥下障害の改善を目的に、VitalStimR Plus(インターリハ株式会社製)を使用しています。
 VitalStimR Plusは、前頚部の皮膚に貼った電極間に流れる低周波直流電流で運動神経を刺激し、筋肉を収縮させます。通電時に少し違和感がありますが、一人一人に合わせて電極の強度を調整できるようになっています。VitalStimR Plusを用いる事で、意識的に筋肉を収縮させるよりもより多くの運動単位を興奮させる事ができ、複雑な運動をすることが困難な患者様でも舌骨筋群を動かす事が可能です。
 また、電流を流しながら嚥下訓練を行う事で、訓練効果が増強されるほか、自身の筋肉の動きをモニターで確認できるため、筋の機能を客観的に評価でき、患者様の訓練意欲向上にもつながります。
 従来の摂食嚥下訓練に加えてVitalStimR Plusを使用した訓練を組み合わせる事で、さらに効果が期待できます。「安全に美味しく食べる」を目標に、今後も摂食嚥下障害の改善を目指していきたいと思います。

甲府城南病院 リハビリテーション部 言語聴覚療法科
河村 有美




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2018年09月20日

会話の中で心がけていること

甲州リハビリテーション病院の神田です。

皆様は、患者様と会話のなかでどんなことを心かげていますか。

良い雰囲気を作りたい。失礼の無いようにしたい。信頼関係を築きたい。言語聴覚士ですから、会話で心がけていることがきっとあるのではないでしょうか。

今回は、私が心がけていることを1つお伝えします。それは、「わかったふりをしないこと」です。

新人の頃は、患者様との会話が非常に苦手でした。構音障害や失語症の方の発話は、何を伝えようとしてくれているのか推測できないことも多かったです。そしてつい「わかったふり」をしていました。しかし、STを続けていくなかで、これが誤りだと気づかされました。

患者様は「わかったふり」を容易に見抜きます。伝わらないことによる不安やストレスを感じていらっしゃいますから、「わかったふり」をされると余計に落ち込ませてしまったり、分かってくれない人だと思われてしまうこともあります。分からない時は正直に伝えて、発話内容をなんとか汲み取ろうと努力する。こうすることで信頼関係が築きやすくなったと感じています。

人によって心がけていることは違うと思います。時には、治療手技や訓練プログラムの相談だけでなくこういう内容で意見交換することも面白いかもしれません。

甲州リハビリテーション病院
神田 侑

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2017年12月22日

触れ方一つで反応が変わる

 臨床上の工夫ということですが、今回は私が重心病棟で働くようになり、考える機会が増えた触刺激について書かせて頂きたいと思います。
 重心病棟でのリハビリは、それまで私が働いてきた回復期や急性期での考え方をそのまま当てはめたのでは躓く事が多くありました。例えば開口してほしい時に、以前は口頭指示や模倣を促していましたが、重心では模倣も難しい患者様がほとんどです。先輩とのリハビリでは開口していた患者様が、私のリハビリでは閉口してしまう事があり、その原因の一つに触刺激がありました。当時の私の触れ方を振り返ってみると、骨折のリスクが高い患者様に、骨折を恐れた表面に触れるだけの触り方。または、過敏が強く頭頸部の動きが多い患者様に、動きを抑制しようと力を入れた触り方をしている事が多くありました。そしてそのどちらも患者様にとって不快な刺激となり、口唇周囲の緊張を高めてしまっていたのです。
 口頭指示や模倣が難しい患者様には、直接触れて介入する機会が多くなります。普段何気なく実施してしまいがちですが、触れ方一つで緊張を作り出してしまえば、訓練効果は半減してしまいます。訓練内容と同様に重要な要素であると実感し、日々の臨床に励んでいます。


国立病院機構甲府病院
小松 富美子
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