私は毎朝、そして昼休みに新聞を読みます。社会的な話題から個人的な意見まで、新聞は情報の宝庫です。そんな新聞を読むときに大事にしていることは、情報を得るというだけでなく自分の心の動きも忘れないということです。驚きや疑問、感心など。臨床の中では、心が動いた記事を話題にして患者さんと話をすることもしばしばです。
患者さんの話にハッとすることもたくさんあります。何かを発見したような驚きと喜びで私はすぐに尋ねます。患者さんは嬉しそうにそのことについて話をしてくれます。会話は弾み、患者さんからは生き生きとことばがあふれ出します。私は忘れないようにとメモ帳に書き留めることも多いので、メモ帳を見返す度に患者さんから教わったことの尊さ感じます。
私たちSTは患者さんからことばを引き出そうと日々努力をしています。大切なことは、患者さんのことばにしっかり耳を傾けること、そして些細なことも感じ取れる感性を磨くことではないでしょうか?簡単ではありませんが、そんな風に私は思い、主体的に話しだしてもらえるよう患者さんの心が動く話題作りや場面作りを心掛けています。
湯村温泉病院
池神 多加子
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