皆様は、患者様と会話のなかでどんなことを心かげていますか。
良い雰囲気を作りたい。失礼の無いようにしたい。信頼関係を築きたい。言語聴覚士ですから、会話で心がけていることがきっとあるのではないでしょうか。
今回は、私が心がけていることを1つお伝えします。それは、「わかったふりをしないこと」です。
新人の頃は、患者様との会話が非常に苦手でした。構音障害や失語症の方の発話は、何を伝えようとしてくれているのか推測できないことも多かったです。そしてつい「わかったふり」をしていました。しかし、STを続けていくなかで、これが誤りだと気づかされました。
患者様は「わかったふり」を容易に見抜きます。伝わらないことによる不安やストレスを感じていらっしゃいますから、「わかったふり」をされると余計に落ち込ませてしまったり、分かってくれない人だと思われてしまうこともあります。分からない時は正直に伝えて、発話内容をなんとか汲み取ろうと努力する。こうすることで信頼関係が築きやすくなったと感じています。
人によって心がけていることは違うと思います。時には、治療手技や訓練プログラムの相談だけでなくこういう内容で意見交換することも面白いかもしれません。
甲州リハビリテーション病院
神田 侑
神田 侑